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「畳と女房は新しいほうがいい」こんな諺が有りますが、私は「古畳と、古女房は化粧替えがいい」と言うように読み替えていただくと、その含みと本当の意味が解ると申し上げています。新畳はたしかに色も匂いも新鮮ですが、まだその家に馴染んでいません。何年か使っていれば落ち着き、くせも解ってきますので、色あせてきたら表と縁だけを張り替えれば、その香しい新鮮さは同じ様に味わえるのです。 しかも下地の畳床はゆかにも馴染み落ち着いてきているから、そこの生活に殆ど合っている筈ですし、少しの手直しで隙間やむらも直せますから、ますますぴったりします。 もうお解りですか?色々な畳の特色を知っていただいた方にはピンと来た事でしょう。 女房も時々の化粧替えで、新婚時代の雰囲気に戻れ、しかも’あうんの呼吸’と’目で物を言う’事までも会得してるのですから、取り替えるなんて罰当たりなとんでもない事なんですよ! 四季折々の風情を、自然素材の上で培って来た日本人の生活感性を更に高め、世界に広めて行きたいものです。 畳アドバイザー、Junc−Art KESAJI 荒 井 将 佳 |