畳と健康について


●日本人の健康源のエコ建材、それは畳です!
 
畳は立派な健康建材なのに、今まで悪者扱いをされていたのは、ダニを大発生させた生渇きコンクリートの集合住宅ラッシュの時代から尾を引いている事と思われます。
タタミをフローリングに変える流れは、リビングスペースの洋風化志向と自然の木材回帰志向が重なり会ったこと、またダニがもぐりこんで大繁殖する恐れのある隙間(空気層)を持った、無防備なままに防虫対策のしてない畳を避けるということが理由です。
喘息やアトピーの患者さんのアレルゲンになる、ハウスダストやダニのかけらや糞を除去するのは対処療法としては当然です。

さらに今の内装材料を見渡してみると、土壁など呼吸出来る物は殆ど無くなり、高気密高断熱等の高エネルギー建材に囲まれ、そしてわずかなスぺースが老人用に畳敷きの和室として確保されているにすぎず、呼吸して湿気や埃も吸ったりするのは畳と障子襖に絨毯だけという状態が殆どです。

人間は大変我が儘勝手な動物で、今まで自然界との共生状態を相当に壊してきたしっぺ返しが、色々な自然現象の破壊を具象化した問題となって降り掛って来ています。住環境においても同じ事が言えるのでないかと思います。

畳は、元々植物から食料などを得た後のリサイクル品である稲藁などと、稲の裏作として田圃の土をリサイクルし連作をする為の工夫も有って栽培されたい草、そして材料を重ね束ねて縫い止めしたり、織り込んだりする麻や木綿の糸が原料となって作られ完成されております。
ですから畳は大変な省エネルギー品であり、1年以内に再生産可能で廃棄しても土に還元するリサイクル品の集合体です。
下地の畳床(たたみどこ)は、3〜4万本もの藁の茎を5〜7層に配して固めに圧縮して作ってあるので、藁茎の中とそれ同士の間に沢山の空気を含んでおり強い衝撃をも柔らげます。

完成度が高く新製品の出にくい保守的な畳業界の中にあって、今の材料の主流は35年以上前から研究試作されて、ようやく近年富にシェアーを高めて来た「タタミボード(インシュレーションボード)」や「発泡スチロール」などが素材として普及して安定供給されており、さらに縫糸(ビニロン、ポリエチ、ポリプロ)も湿気に強いものになっています。
上衣になる畳表のい草の中は「燈芯(とうしん)」という、和蝋燭(わろうそく)の灯芯材料ですが、ふんわりした星状の細胞組織が詰まっていて、沢山の空気を含んでおり、スポンジのようにソフトなクッション性が有ります。
また、いぐさの表面は丈夫な筋入りの表皮に覆われていて、脂肪分の粘性と適度な湿気による膨張性で、摩擦にも耐えうる構造になっています。最近ではい草にそっくりなパイプ状の樹脂、木材の和紙で織られた 畳表も製品化され、使い道次第により選択肢が更に広がりました。
この沢山に含まれている空気は、通風による自然の呼吸作用と、人の重みの圧力によって出入りし畳の下側の床面の空気迄も動かすので殆どメンテナンスフリーといえるのです。さらにその呼吸は埃をも吸い込む作用があります。

しかし限界は当然有ります。昨今では、新築工事の時に使った大量の水分や建材に含まれる水分が発散しないうちにすぐ入居してしまう、あるいは内装工事も躯体や下地が生渇きの状態で施工してしまうので、最後の畳の敷き込み後、その湿気を床面一杯に厚さ5.5〜6cmもの体積で吸収してしまうのです。
その水分は相当な通風とかで追い出さない限り、他に吸ってくれる物は殆ど有りませんからすぐに限界点となり、しかも一定量以上吸い込んだ湿気は、なかなか発散しにくくなってしまいますので、かびからダニへと逆効果が現われてしまうのです。

それを防ぐ為の工夫として、防虫防湿紙と建材畳床が注目され、防虫効果を高めるために殺虫剤を使うようになった訳です。

と同時に、私が「不織布(ふしょくふ)」に着目し業界に導入したのは、物理的な防虫法としてダニや埃が通過しにくくて、かつ通気性が有り湿気に強く結露しにくい丈夫なシートで床材をマスクすれば良いのでは、と考え捜していたところ「不織布」に出会いピンと来たからです。
ダニは沢山繁殖させなければ良いと解りましたから、70〜80%防虫を目標に畳床の裏表に縫い付けたり、表の下にくるむことで、薬無しでもそこそこの効果を挙げられる事が確認出来ました。それは今もお勧めしている方法です。


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