■ 4種類のデータ消去モードと消去証明書発行
HRT-102は、ハードディスク(以下、HDD)を1:1で高速コピー&消去するコピーマシンです。
消去方法にDoD規格を新たに加えて、合計4つのモードで消去します。
1.【ALL 00h】
HDD全領域に00hを書き込み、データ消去を行います。
2.【NSA-Standard】
NSA標準方式(乱数書き込みを2回、0書き込みを1回の合計3回の書き込み)で、データ消去を行います。
3.【NSA-Old】
NSA旧方式(FFh→00h→FFh→00hを全域に合計4回書き込み)で、データ消去を行います。
4.【DoD】
米国国防総省方式(00h→FFh→乱数を全域に合計3回書き込み)でデータ消去を行います。
※工場出荷時はターゲットポートのみの消去設定になっていますが、設定を変えると2台同時消去が可能です。
※消去にかかる時間はコピーと同じ14秒/1Gbyteです。
但し、NSAやDoDなどは2〜4回消去を繰り返すので、その分だけの時間が必要です。
消去証明書発行
HRT-102は、消去証明書を発行する機能が付いています。
高価な消去証明書発行用ソフトウェアがなくても、消去ログから簡単に消去証明書が発行できます。
HRT-102には、MMC(マルチメディアカード)が付属しています。
このMMCカードに消去ログが自動的に記録され、記録の中から任意のログを選択し、PCから消去証明書を発行します。
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※ターゲットHDDの消去完了表示
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消去証明書発行用アプリ画面
※クリックすると拡大します。 |
●手順1
HRT-102の全面の【MMC】と記載されたカード挿入ポートに、付属のMMCカードを差し込みます。
●手順2
メニュー画面で「ERASE」を選択し、データ消去をスタートさせます。
HRT-102は消去動作を行ったあとで、自動的に消去確認作業を行います。データが消去されていることが確認できると、消去証明書の発行が可能になります。
※この消去確認でNGとなった場合、消去証明書の発行はできません。
●手順3
コピー動作が正常に完了したことを表示パネルで確認し、MMCカードを取り出します。
HRT-102付属のカードリーダライターをPCに接続し、取り出したMMCカードを差し込みます。
HRT-102付属の「消去証明発行用アプリ(事前インストール)」をPC上で立ち上げて、消去証明書発行作業の開始です。
●手順4
アプリケーションの「ファイル」から、MMCカードに入っている消去ログを選択し、消去証明発行元、発行先情報を入力し、印刷を行うと、消去証明書がプリントアウトされます。
このような消去証明書が発行されます。
1.発行先
2.発行元
3.ドライブ情報
4.消去ログ(年月日、時間)
5.発行元情報
6.機器製造元情報
← ※クリックすると拡大します。
※カードリーダーライターとMMCカードが付属しています。
■ 本体概要
HRT-102は、スリム&コンパクトボディ。
ノートPC用のキャリーバックにスッポリ入って、重量1.8kgと持ち運びも楽々です。
@表示パネル(バックライトつきLCD)
A移動、選択ボタン
B決定、実行ボタン
CHDD状態LED
DMMCカード挿入ポート
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EマスターHDD接続SATAポート(消去の時はターゲット1ポート)
FターゲットHDD接続SATAポート(消去の時はターゲット2ポート)
G電源ポート
H電源スイッチ |
■ 3つのモードで高速コピー
HRT-102は、3つのコピーモードを揃えています。
全ての領域をコピーする『フルコピー』、使用ファイルのみをコピーする『ファイルコピー』、コピー領域を指定する『容量指定コピー』の3種類。
しかも1Gbyte14秒と(高速HDD使用時)とにかく高速です。
フルコピー FAT32/NTFS/Linux/Mac
使用、未使用にかかわらず、全ての領域をそのままコピーします。
OSに依存しませんので、Windows、Linux、Macを問わずコピー可能で、特殊なOSもこのフルコピーでコピーできます。
ファイルコピー FAT32/NTFS/Linux
使用ファイル(使用領域)のみをコピーするコピーモードです。
大容量のHDDを、全ての領域をカバーするフルコピーで行えば、どんなにコピーツールが高速でも、かなりの時間を要します。
HDD容量が350G・500Gでも、使用しているのは10G程度とはよく聞く話。
それでも実際どのくらいの容量を使用しているか具体的に分からない場合があります。
そんな時には、使用領域のみを自動的にコピーできる“ファイルコピー”を使って、作業時間を大幅に短縮してください。
ファイルコピーは、未使用領域も認識しますので、HDD丸ごとの使用が可能です。
容量指定コピー FAT32/NTFS/Linux
こちらも、コピー作業の大幅短縮を目的としたコピーモードです。
例えば予めHDDの使用領域の容量が分かっていたとします。
そんな場合はコピーする容量を指定するだけで、コピー時間の大幅短縮が可能です。
容量指定コピーは、指定してコピーした容量以外の領域も認識し、HDD丸ごと使用できます。
※全てのモードに、コピーのみ、コピー&コンペア(比較)、コンペア(比較)のみの設定が可能です。
■ 不良セクタスキップ機能とクリッピング機能
HRT-102は不良セクタスキップ機能が付いています。
コピー元マスターHDDにセクタ不良があり、読み込みエラーが発生しても、コピー動作をストップすることなく強制的にコピーを実行しますので、不良箇所が多いHDDのデータ救出が可能です。
※ただし、読み出したデータでHDDが正常に動作するかどうかの責任は負いかねます。
また、エラーが発生した場合、リトライ(再試行)を行う回数が設定できます。
工場出荷時は3回のリトライを実行するように設定していますが、状況に合わせてその回数を変更することが可能です。
※1回のリトライに要する時間は30秒です。
また、“クリッピング機能”という新しい機能が付いています。
クリッピング機能とは、古いシステムが現役で稼動しているような環境のPCやFCパソコンで動作している小容量HDDをコピーする際に使う機能です。
小容量HDDが動作しているPCやFCパソコンは、大容量HDD接続の想定をしていないため(BIOSレベルで)大容量HDDそのものの認識ができません。
しかも、小容量HDDも手に入りにくくなりました。
そこでクリッピング機能を使うと、大容量のHDDもコピー元小容量HDDと同じ物と認識され、そのシステム自体が稼働可能となります。
■ もちろんSMART情報も
HRT-102は、HDD内にあるSMART情報を取り出すことが可能です。
SMART情報を確認し、各IDごとに、現在値が閾値(しきいち:ボーダーライン)以下になっている場合は『E(エラー)』マークが、過去に上記エラー状態が発生した事がある場合、またはコピー/試験動作を行って、機能の低下が見られる場合は、各IDに『W(ワースト)』の文字を追加して、そのHDDの状態を知らせます。
※SMART情報の取得を行う行わないかは自由に設定できます。
■ オプションでIDE→SATA/SATA→IDE/IDE→IDE
HRT-102はSATAポートを標準装備しています。
IDEのHDDのコピーまたは消去を行う場合は、オプションのIDE変換アダプタを使います。
IDE変換アダプタは、3.5インチ、2.5インチの両方用意していますので、用途に合わせてお選び下さい。
IDE変換アダプタを使用すると、「SATA」→「IDE」、「IDE」→「SATA」とクロスのコピーも可能になります。
※ IDE変換アダプタには、HRT-102本体接続用ケーブルが付属しています。
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