■ コピー機能
例えば200GのHDDを何台もコピーしなければならない仕事があった場合、200Gを丸々コピーしていたら、いくらコピー機が本人に代わってやってくれるとしても、いつ終わるとも見当がつきません。
日が暮れるどころか、月が明けてしまいます。納期だってありますよね。
そこで活躍するのが、HRT BASIC(以下、BASIC)のファイルコピー機能。
実際には200GのHDD内で、使用している容量が実は10Gくらいだという話しをよく耳にします。
200Gめいっぱいコピーしようとすると、高速のHDDであっても「40分前後」かかりますが、それが「10G」なら「3分」でおしまいになります。
この時間の差は極めて大きなものになります。なぜなら40分の作業が3分で終わるのですから。
そしてBASICは、この作業が一度に3台できるので、さらに作業効率が高くなります。
しかも、使用していないその他の領域も全て認識可能で、200Gは200Gとして使用することができるのです。
そう、HDDコピー機はこれができるんです。これをパソコンでやろうと思う人はまずいないでしょう。
以下に、BASICのコピーモードをご紹介します。
マスターHDDの使用しているファイルのみのコピーを行います。
コピーした使用領域以外の未使用領域も認識し、全ての領域は使用可能となります。
こんな時も安心です。
ファイルコピーをした場合、HDD内にパーティションがあり、実はそこには何も書かれていないといった場合。
ご心配なく。
ファイルコピーは何も書かれていないパーティションも再現されます。もちろんその領域の使用は可能です。
ファイルコピーは、使用しているファイルが少なければ少ないほど効果を発揮し、極端なコピー時間の短縮がはかれます。
※ファイルコピーはFAT32、NTFS、Linuxをサポートしています。
マスターHDDの使用容量が予め分かっているときは、コピー時間を短縮するために、コピー容量を指定してコピーします。
例えば40G HDDのうち使用容量が20Gの場合、20Gと容量を指定してコピーします。
残りの20Gも認識しますので、40G全て使用可能です。
そのものズバリのフルコピーです。使用、未使用に関わらす、全ての領域をコピーします。
0S、フォーマットに依存しませんので、Windows各種、Linux、Macなど、全ての0Sのコピーが可能です。
BASICは、マスターHDDに書かれているデータのみをコピーするファイルコピー(File Copy)、マスターHDDの指定した容量のみをコピーする容量指定コピー(Capacity
Copy)、そして、マスターHDDの全ての領域をコピーする物理コピー(Physical Copy)と3つのコピーモードでコピー作業をサポートします。
※コピーが正常終了しても、SMART情報でボーダーライン以下になっているHDDはNG、エラーと表示されます。
■ SATA標準の3台同時コピー
BASICは、シリアルATA(以下、SATA)ポートを標準に装備し、1台のSATA HDDのデータを3台のSATA HDDに同時にコピーすることが可能です。IDE
HDD(3.5、2.5インチ)は、変換アダプタを使用することで、同じように3台同時にコピーできます。
また、IDE変換アダプタを使えば、「SATA」→「IDE」×複数、「IDE」→「SATA」×複数と、クロスの複数同時コピーが可能になって、短時間で高速にコピーできます。
※IDE変換アダプタは下方に表示しています。
コピー速度は14秒/1Gbyte(高速HDD使用時)です。
さらに、【COPY】【COMPARE(比較)】【ERASE(消去)】に加え、【SMART】【TEST】とメニューを追加することにより、多彩なHDDコピー環境を実現しました。
■ コピー速度の目安
BASICは、1Gbyteを14秒の高速でコピーできますが、ご利用のHDDによって速度も変化します。
1Gbyte14秒は現在最も高速のHDDを使用した実値で、一般的なHDDでは、1Gbyte20秒前後、遅いHDDでも約30秒前後と、それでも高速にコピーします。
コピー時間が2倍に増えても、3台のHDDのコピーなら、脱着のためにコピー機へ移動する手間は1/3回です。
手間と速度、どちらをとっても効率よく作業ができます。
■ 拡大コピーは可能か
これまでは同容量HDDを対象にしたコピーの話でしたが、大容量のHDDにコピーしたい場合はどうすればいいでしょうか?
残念ながらHRT BASIC自体には大容量への拡大コピー機能はありません。
でも、物理コピー、容量指定コピー、ファイルコピー、全てのコピーモードで大容量HDDへのコピーは可能です。
ただし、これらで大容量HDDへコピーした場合、ターゲットHDDは、マスターHDDの容量と同容量、つまり、拡大されていない状態になっています。
この場合、市販のパーティション編集ソフトで、残りの領域を拡大することで、大容量HDDの全ての領域が使用できるようになります。
複数の同容量HDDへの、同じデータの拡大コピーを行いたい場合は、パーティション編集ソフトで拡大したHDDをマスターとして、ターゲット3台に同時にコピーを行って下さい。
■ HDD内部データを完全消去 3台同時消去
HDD内部のデータは、再フォーマットをかけても、F diskをかけても、HDD内部に存在することは今や常識になりつつあります。
安易な消去処理を行うと、通常のパソコンから読み込むことはできなくなりますが、特殊なソフトウェアや装置を使うとおもしろいように復元できてしまうのはご存じでしょうか。
HRT BASICは3つの消去モードを用意することで、大切なデータの外部漏洩を防ぎます。
1.【ALL 00h】 |
・・・・・ |
HDD全領域に00hを書き込み、データ消去を行います。 |
2.【NSA-Standard】 |
・・・・・ |
NSA標準方式(乱数書き込みを2回、0書き込みを1回の合計3回の
書き込み)で、データ消去を行います。 |
3.【NSA-Old】 |
・・・・・ |
NSA旧方式(FFh→00h→FFh→00hを全域に合計4回書き込む)で
データ消去を行います。 |
安心してHDDを廃棄、再利用できます。
消去台数は同時に3台です。
ターゲットに接続したHDDのみを消去し、マスター側に接続したHDDは消去の対象となりません。
誤ってマスターを消去しないよう、親切に設計されています。
※ |
NSAとはアメリカの国家安全保障局で、海外の情報通信の収集と分析を主な任務としている。アメリカ中央情報局(CIA)がヒューミント(human
intelligence)といわれる、人を使った諜報活動を展開するのに対して、NSAはシギント(signal intelligence)といわれ、電子機器を使った情報収集活動とその分析、集積、報告を担当する。
そのNSAが採用するデータ消去方式を搭載しています。 |
■ 各部位の名称と働き
【BASIC フロント】
@表示パネル:各機能の設定や動作状況を表示します。
A状態LED:ハードディスクの現在の状態を示します。
B操作ボタン:各機能の操作や設定を行います。
CSELECTボタン:各機能や動作の選択を行います。
DENTERボタン:各機能や動作の決定を行います
【BASIC 背面】
@電源および電源スイッチ:電源ケーブルを接続し、スイッチで電源を投入します。
AFAN用ポート:オプションのFAN接続ポートです(現在は使用しません)。
BTG1〜3ポート:ターゲット(コピー先)ハードディスク接続ポートです。
CMSTポート:マスター(コピー元)ハードディスク接続ポートです。
【BASIC 左側面】
@LANポート:ファームウエアのバージョンアップ用LANポートです(通常は使用しません)。
A追加I/Oポート:追加のI/O制御に使用します(通常は使用しません)。
|