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株式会社スペクトル

情報漏洩に関する危機意識No.1
2001,03,08


2001年と現在では比べものにならにくらいにセキュリティ事情が変わってきています。
しかし、PCを使っている人間の意識はさほど変化はしていないような気もします。この報告書(提案書)は2001年当時に書いたものですが、今でも共通する部分があると信じて、この文章から一人でも「何かを気づいて頂ける」方がいればと掲載しました。文章が堅いですがお付き合い下さい。


内部HDDからの情報漏洩に関する危機意識

この文章は、「廃棄PC内部のハードディスク(以下HDD)データ」を、弊社HDDコピー機「HDIシリーズ」で、HDD内のデータをすべて消去し、情報の漏洩を防止する対策をとろうと考えたとき、危機意識のあり方と取り組み方を考察したものである。


情報を収集しようとする者にとっては、最も簡単にそのデータを収集でき、容易にしかも大量に入手することが可能なアイテム「廃棄PC内部のHDD」。端末PCのHDD内に残存するデータからの漏洩に関する危機意識において、それが軽んじられているものとは思えないが、皆一様に危機感を持っていないように思われる。情報漏洩防止策については、即日実行に移してもよい話ではないか、と感じるのである。


では、何故そうならないのだろうか。
障壁となるような事項をいくつか取り上げてみたい。


A.本当にそれをやる必要があるのか。〈危機意識の問題、疑心〉

B.もっと良い方法があるのではないか。

C.誰がそれをやるのか。〈作業負担の問題〉


まず<A>の必要性の問題から考えてみる。


必要性とはこの場合、危機感から生まれるものである。ところが、日頃意識しないものに関して危機感を与え、それを意識として浸透させることは並大抵のことではない。地震時における家具転倒防止用の安価な器具一つとってみてもその傾向はうかがえる。

阪神・淡路大震災の年は、一般家庭から法人に至るまで急激に危機意識が芽生え、そういった器具が店頭の一部を占領するほどだったが、そんなに時を過ぎていない現在の状況はご存じの通り、一部過敏な人を除けば何事もなかったかのような状態である。それほど危機意識を植え付けることは難しいといえる。

残念なことではあるが、阪神・淡路大震災は、非常に近い場所でしかも深刻な被害をもたらしたことによる、ある種のショックで危機意識を植え付けたが、これはあくまでも「事後」であって、今回のテーマである「入れ替えられるPC(廃棄PC)内部のHDDに残存するデータの流出」に関する危機意識は「事後」であっては絶対にいけない。


例えばHDDに残されたデータの中に、機密性の高い情報を扱っているサーバーなどにアクセスする「ID」や「パスワード」が残っている可能性はないだろうか。

例えば機密性の高い文書(または文書そのものではなく指示など)をメールでやりとりした内容が残っている可能性はないか。

例えば…例えば…。考え出したらきりがないほど不安要素はつきない。
これらのことから、HDD残存データの消去は、情報漏洩防止の重要なかつ有効な手段であることに間違いはない。



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